IAEPC 2025

International AI Elite Programming Contest (IAEPC)

準備

予選:https://codeforces.com/contest/2061

上位には jqdai (apiad) から CF のメッセージで連絡が来た.2月1日(予選+12日,開始-26日).到着日などを選ぶように言われたのが2月7日.航空チケットが来たのが2月18日.

結構最小限のメールしか来ず,特に出発日時が決まるのも少し遅く感じた(人によってはメールが spam 扱いされていたために,さらに連絡の発見が遅れたようなので注意).

コンテストルールも特に 2 日目のものについては(競技プログラミングと呼べる形式なのかすら)よくわからない.(自分は信じたが)人によっては現地での食事の心配すらしている.ホームページにもあまり情報がなく,参加者は何人で誰なのかもよくわからない状態.いろいろとやや不安を感じさせる展開だった.

2/27 (日本 → 香港)

日本を 10 時に出発するフライトで,早起きが必要となった.ICPC の何かに行く集団と空港で遭遇したりした.

香港空港を16時30分に出発.ホテルには 17 時過ぎについたようで,まあまあ近くてありがたかった.

ホテルチェックインなどと同時にいろいろな指示を受け取る.whatsapp により連絡が行われること,ホテルでもらえる食事の説明,スケジュールの説明など.かばんやシャツ、パーカー等も頂いた.

日本人の間では始まるまでの様子と比べて始まると急に運営がまともになったというおもしろ評価.

部屋は,初対面の海外勢との 2 人部屋.夕食はイタリアンレストランで各自注文する形式で,十分おいしかった.

少し仮眠で休んだあと,CF のコンテスト に参加してから就寝.

2/28

この日の予定はかなり疎で,まず 15 時まで何もなかった.到着翌日の朝から動くのは個人的にしんどいので,ありがたかった.

朝食を食べたあと昼寝をしていたらあっという間に 15 時になった.その間に何やら昼食が配られるイベントが発生していたらしいが,これは複数の日本人に聞いたところではかなり不評だったようだ.

15 時からバスで香港中文大学に移動し,コンテストや表彰式で使う会場の下見.他の参加者との顔合わせもここが初であった.CF で予選をしたなら名札に CF ハンドルネームも書いておいてくれるとありがたいと感じた.CF では上位 80 人程度に案内が行っていたようだったが,実際の参加者は 30 人程度だったようだ.

この日も CF でコンテストがあり参加した.

翌日のコンテストルールも少し情報が増えてきた.3 時間 6 問,ペナルティは ICPC と同様.ただし pre-prepared template は使用可.インターネット検索はなし.入賞賞金まわりもこの日にはじめて明らかにされたと思う.(賞金情報は 3/1 当日だったようです)

実は一部の解法や実装方法のメモなど,インターネット環境を前提としてメモしてあるものが存在するので,念のためある程度のものがローカルで見られるように慌てて準備.例えば自分の提出 URL だけメモしてあっても使い物にならない.なるべく過去に解いた問題のコードや考えたことをどのコンテスト中でも調べられるような環境を作りたいが,まだあまり整理しきれていないしやり方を見直した方がいいかも.

3/1 classic track

午前中には practice が行われた.4 問とも既出だったようで,ものすごく速く全完している人が居る.既出で実装したことがあったとしても短時間で貼れるのはすごい.私は知っている問題は 2 問,コピペできるものはなかったが何とか全完はできた.

午後にコンテスト本番.このコンテストの問題は一部 CF div1 で使われる可能性があるということで,詳細には触れない.結果的には 11 位.3 時間コンテストの前半で,もうかなり上振れないと入賞に届かなさそうなところまで行ってしまい,少し巻き返したがダメだった.

maroon さんが 1 位.cphof を見る限り,国際大会個人 1 位は初なのかな?(本大会が cphof に入るかは知らない).おめでたい.一部では maroon 後援会という discord server が作られるなどの大活躍.

自分も入賞くらいは行けるべきだっただろうという感触はあるが,残念.potato さんは行けたはずだと悔しがっていた.私は「全部まともにつながれば上位に入るのはそれはそう」と思ってしまったが「でもそれをやるゲームじゃないですか」と返ってきた.まあ確かに,自分ももうちょっとそういう意識を持った方がいいのかもしれない.コンテスト終了後とかも含めて最終的に解ければ結構満足してしまいやすいんだよな.

夜は,ucup 3-31 をやった.場所をどうしようかという.ホテルロビー回りを候補としていたが,電源等がうまく手に入らない.結果的に,jiangly + maroon という 2 人部屋を使わせてもらって,jiangly, HoMaMaOvO が並走というおもしろ体験.快く了承とてくれた jiangly さんに感謝.

3/2 innovative track

事前情報がほとんどなく,ホームページには “the Innovative Track will evaluate participants’ ability to collaborate with AI to solve problems” と書かれているというかなり謎なコンテスト.

問題数と配点,やはりプログラムを書いて提出する競技であること,インターネットは使えないがローカルで動く LLMs が提供されるという程度の情報は事前に得られた.

こちらはオープンな問題議論禁止と言われていないはずなので簡単に書くと,何やらキャッシュについて 10 ページくらいのドキュメントが与えられ,その通りに動作するように実装せよというものだった.簡単に言ってしまえば,要するに問題文が長く複雑で読解が大変なだけの,やるだけ問題(このコンテスト参加者にとっては)という感じのものだ.(これは問題 1 に関するものであるが,問題 2, 3 も多かれ少なかれその域であった.ただし問題 3 のみすこしアルゴリズム的改善で差がつく要素がある.)

コンテストは 2 時間.私は 40 分くらいまで,ドキュメントの存在に気付かなかった.classic track と同一のコンテストサイトだったが,practice, classic のときには問題に添付ファイルが与えられることがあるなんて全く説明されなかった.似たコンテストサイトを使ったことがあれば気付きやすかったのだろうか?

ただし問題文には handbook にいろいろ書いてあるよと書かれていたのは見ていた.私は,「handbook がない不備あり問題文とサンプルから動作を推測して合うように実装せよ」という変な問題だと解釈してしまい,しかも AI コンテストという謎コンセプトゆえに「まあそういう問題が来ることもありうるな」と思ってしまった.

この時点で正直,もう完全に入賞を目指す気持ちはなかった.そして,AI に PDF に書かれていることを教えたり,コピペで情報が変わってしまいそうなテーブルを AI にも理解できそうな形に書き直しながら AI に指示することを試していた.AI の使えなさに苦笑しているうちにコンテスト終了という感じだ.

このように個人的なコンテスト体験はいまひとつであったが,コンテスト問題そのものは個人的には評価している.問題は読解が面倒なだけでアルゴリズムは簡単という競技プログラミングとしてやるにはつまらない問題である.一方これは,確かに現在の AI を上手く使えば人間よりも速く正確に解いてくれるのではないかという期待が持てる問題だ.AI を使いこなす能力を問うというコンセプトにしっかり合ったコンテストを用意してきて面白いなと思った.

では上位入賞者は AI を使いこなしたのかというと,今回は優勝者 Benq を含め,上位に入った人はことごとく,自分でドキュメントを読んで自分で実装したと言っていて,得点を稼げなかった人のほとんどは AI に何かプログラミングをさせようとした人だった(聞いた範囲では).4 位の Nachia さんは,ログインの仕方が分からず AI を完全に触らなかったらしい.昨日優勝した AI Elite maroon さんは,AI に実装させようとして,ロジックのおかしい場所を見つけて何度指摘してもなおしてもらえず,この日は 0 点である.

これほどまでに 「AI を使って問題を解く」という課題に寄せたかに見えるコンテストですらまだ AI は解いてくれないのか.普段ときどき聞こえてくるような AI の素晴らしい実力は,このコンテストでも私は感じることはできなかった.

午後は表彰式のあと,大学内の観光.坂道をたくさん歩いたり,フォトスポットで写真を撮ったりした.やたらいろいろな写真を撮ることをすすめてきた感じが.LGM photo なども撮影された.そのあとはカードゲームやペンシルパズルが行われていた.

夜には CF 5 時間があったが,時間が夕食とも被っているし後半少し個人で覗いて終わりかなと思っていた.しかし元気なところは工夫して出るようで,日本人からなる AI Elite チーム(Nachia, potato, Rubikun)も作られていた.maroon に「その 3 人で出るらしいよ」と言ったら「うん,ウチも出るよ」と言われびっくり.結局 maroon, hos, mas で再び jiangly 部屋で参加.

なお jiangly の 1 人プレイに負けてしまう.つよーい.

3/3

この日は終日観光が予定されていた.

私は前日の坂道の上り下りでかなり足が疲れてしまっていたので悩み.結局,もらったスケジュールで訪れる場所がたくさんあって,歩行量が多いことも予感させる内容だったため,不参加の選択をした.whatsapp を見ると不参加は自分だけなのか?という気がしていたが,ルームメイトも不参加だった.

結果的に,この日は大部分を寝て過ごした.参加した場合に途中からずっと眠そうにしている展開もありえたので,まあたまにはこういう選択もありだったかなということで.

3/4

12 時頃チェックアウト.そのあと 10 人程度で昼食に行った.

ホテルを出る直前に,ちょうどそこに居た apiad に声をかけてみたら着いてきてくれたし,昼食時の通訳としてかなり役に立ってくれた.

日本人のうち Nachia さんだけ関西空港でひとり先に帰ったのだが,タクシーに荷物を残して飛行機に乗ってしまったようで,荷物の捜索が行われた.スタッフの方もしばらく協力してくれてびっくり.流石にそこまでは仕事じゃないってことでも良さそうだが.

コメント

私はここ 1 年でこれが 4 回目の海外オンサイトである.(全人類対象の)オンサイト国際大会決勝というのは,topcoder や gcj などがなくなっていき絶滅危惧状態にあると聞いたことがあったので,まさかこうなるとは.実際 2022, 2023 頃は本当にほとんどなかったらしい.

個人的には海外への憧れ等もそれほどなく,もう二度と海外に行かなくても別にいいかなと思っていたのですが,持つ趣味とその他巡りあわせによってはこういうことになるのですね.ありがたい.顔が分かる相手,多少話したことがある相手も参加するたびに増えてきました.少しずつ話し慣れてきた感じもしますが,特に英語聞き取りは練習しないとなあ.

大会について.予定が比較的疎なのは体調の意味でも楽でした.ホテルに参加者全員が使える談話室みたいなところが抑えられていると,予定がない時間に交流しやすくて良いなあと思いました(先日の ucup はそこが良かったと思う).今回はホテルでの夜は何らかのコンテストがあった日がほとんどだったのである意味それを楽しむことができたが,何もなかったらちょっと物足りなくなってしまったかもしれない.

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