概要
えええ…正当性の保証がないことを認識した上での出題というのはどうなのと思ってしまいました。うっかり論理に穴があって出題ミス、というのならまだ分かりますが。まぁ、完璧じゃなくてもいいから気楽に出題していこうというサービスですから、仕方がないでしょうか。
なるほど。一読して、出題ミスは十分ありうるくらいの認識はしかしていなかったけれど、そもそも正当性を確かめていないもの(想定解が存在しないレベルのものも?)ある感じなのですね。
とはいえ、証明できました。
ちゃんと書き残しておいた方が良いと思うので、書きます。
以下、yukicoder様の解説と同様、答の値を
がどちらも偶数の場合
まずは次の図を見てみましょう。これは、yukicoder様の解説ページ の、

移動経路上の頂点をそれっぽい定義で「曲がる点」「直進点」の2種に分類することにします。また便宜上、スタートとゴールも直進点としておきます。上の図では、直進点を青頂点としています。また、移動経路上の縦線を、赤線として表しています。
以下のようにして、直進点の個数が
- 赤線のみを辺とするグラフを考える。
- 縦に並ぶ
個の点を考える。 は奇数である。握手補題 などにより、このうち奇点は偶数個。よって偶点は奇数個ある。 - 特に、偶点は、縦に並ぶ
頂点の中に つ以上存在する。全体では 個以上。 - 偶点は必ず直進点(※スタートとゴールを除き同値)なので、直進点は
個以上。
ここまで分かれば、元の問題の最大値が、
の場合

経路の始点に注目します。必要ならば縦と横を入れ替えて、始点から縦線でスタートしているとしてよいです。あとは上と同じ議論をすればよいです。
- 赤線グラフにおける偶点は
個以上存在する。これらは全て直進点。 - 経路の始点は、「偶点ではない直進点」。したがって直進点は
個以上。
あとは同様にして、
の片方が偶数, 片方が奇数の場合

とはいったものの、この場合は、「
がどちらも奇数の場合
やはり、直進点の個数を下から評価することが課題です。
下の左図は、

以下、

右側のグラフに対する次の補題を証明します。
【補題】
・全ての行に対して、少なくとも 1 つの辺が存在する。
・全ての列に対して、少なくとも 1 つの辺が存在する。
例えば 図4, 図5 の右側のグラフでは、いずれも全ての行に対して辺が存在します。
補題を証明しましょう。行に対する条件が成り立たない(反例となる行が存在する)と仮定して、列に対する条件を確認すればよいです。

これは適当に図を描けば分かります。反例となる行をとります。その行に含まれる頂点が孤立点にならないようにするためには、上下のどちらかに辺が出ていなければいけません(
さて、緑正方形に対するグラフについて、全ての行に辺が存在するとしましょう。これを元の移動経路に戻すと、少なくとも

そのような行に含まれる
(※ この辺の議論は、「
分かったこと:「
合計で、
感想
出題ポリシーにはええっってなったけど、題材自体は楽しめました。
奇数の場合は、注目した値がなかなか機能せず、失敗の連続でかなり悩まされました。移動経路上の任意の点は
もう少しうまくできる余地はありそうですがいかがでしょう。
あとは、 draw.io に少し親しみました。